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孤独は同性愛嫌悪が原因?

2001.06.12 (Tue)

E・バダンテールの『XY男とは何か』で、おもしろい記述があった。要約するとこうだ。

男は男であるために同性愛嫌悪になる。それは自分の中の(男性と仲良くなろうとする)女性的な部分を、認めないですませようとする戦略である。だから男性たちの多くは男性と親密になるのを避ける。バダンデールは友情の社会学的研究をしたロバート・ベルを引用し、「友情に関して、女性は一対一で友情をはぐくむのに対し、男性はたいていの場合グループで付き合う。彼らは同性愛の誘惑を避け、一対一のコミュニケーションをしにくくし、自分たちの男らしさをお互いに確認しあう。さらにベルは、自分の一番の親友は自分の妻だとうち明ける男性が多いことに驚いている。男の親友をもつことの不安はこんなところにも現れるのである。」という内容だ。

文学の世界では、一部で未だに「女には友情が育たない。真の友情は男のみがもつのだ」というカラーのモノもあるようだ。しかし、実際の生活現場をみてみると、退職した男性に友達が少ないことは、よくある事実だ。勤めている間は「飲み友達」だの「ゴルフ友達」や「釣り友達」がいる人も、退職後、継続的にそういう友達と付き合いがあるかというと、なかなかそうでもないらしい。

戦友はいるが親友はいない。これが男性の老後の孤独感を培養させているのかもしれない。6月5日の「ちゅらさんナースになる!」のところでも書いたが、「会社人間」だった夫にとって、老後の居場所は家しかないのだから、(親友のはずの)妻が相手になってくれないと孤独だと書いたのは、まさにこういった男性の同性愛嫌悪志向が、原因のすべてがこれということではないにせよ、一つの背景になっているのかもしれない。
17:26  |  家事・子育て  |  Comment(0)
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